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トネ(TONE) ツールセット TSS4331 差込角12.7mm(1/2") レッド 内容53点

商品説明

トネ(TONE) ツールセット TSS4331 差込角12.7mm(1/2") レッド 内容53点
ブランド : トネ(TONE)
梱包サイズ(商品自体のサイズではございません)
高さ : 25.40 cm
横幅 : 40.60 cm
奥行 : 47.80 cm
重量 : 15.98 kg
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    トネ(TONE) ツールセット TSS4331 差込角12.7mm(1/2") レッド 内容53点

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    目次8 中国古建築周辺のあれこれ
    目次8 中国古建築周辺のあれこれ

      中国古建築と言っても現存する木造建築についての話。中国の建築を見る時、格式と富裕さのランクを意識することがある。例えば、「門」について言えば、一間か三間かとか、門鋲が何個打ってあるとかで、身分が判るし、屋根を見れば、城楼を除けば寄棟は見かけず、普通切妻だが、大棟と正吻(ちなみに鬼瓦は無い)で格が分けられる。  ここでは、門、戸や窓、瓦、ほぞと継ぎ手、反り上がった蘇州式隅棟の営造技法などを紹介する。知れば、中国建築の楽しみが増すのではないだろうか。

      262   中国の門  「碰釘子」~行き詰まり
      264   隔扇門窗2~ 障子のルーツ
      265   中国の瓦葺きについて
      266   中国古建築のほぞと継ぎ手(1)
      267   中国古建築のほぞと継ぎ手(2)
      268   蘇州古建築の瓦葺きでの隅棟営造技法 1
      269   蘇州古建築の瓦葺きでの隅棟営造技法 2



         ⇒  総目次
         ⇒  目次1  日本じゃ無名? の巻
         ⇒  目次2  中国に有って、... & 日本に有って、...    の巻
         ⇒  目次3  番外編 その他、行ってみれば         の巻
          ⇒  目次4  義縣奉国寺(抜粋)中国の修理工事報告書 の巻
          ⇒  目次5  日本と中国 あれこれ、思うこと         の巻
          ⇒  目次6  5-8世紀佛像の衣服
          ⇒  目次7  中国の古建築技法“以材為祖”



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    | 古建築 | trackback(47) | comments(2)
    269 蘇州古建築の瓦葺きでの戧角営造技法 2
    (  戧角営造技法 1 の続き )


    (二)、水戧発戧
     水戧発戧は、嫩戧発戧に比べ比較的簡単である。僅かに攀脊(即ち戧座)前端に、上を覆う花辺瓦が、これを嫩瓦頭と称するが、あるだけである。嫩瓦頭は両側に蝴蝶瓦を約1寸外に伸ばさねばならない。
      水戧発戧の隅木からは嫩戧木を設けず、このため、木部材自体は起ち上がらず、隅棟端部を撥ね上げさせるために、嫩瓦頭の後に、戧座を高さ6-7寸積み、これを俗に「墩子を打つ」と言う。墩子は壷口の形状に作り、呑口と称し、呑口の前端は嫩瓦頭約3寸に縮めねばならない。呑口形式は多種あり、例えば回紋、蟷螂腹等がある。詳細は図12にあり、図例の呑口形式は回紋呑口である。

    269 蘇州古建築の瓦葺きでの戧角営造技法 2_e0309314_19044603.jpg

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    実例写真:呑口工法

    戧座の上には以下の2種の工法がある:
    その一つは、戧座の上に直接二路線を築き、鉄製戧挑を据え、上を蓋筒瓦で覆う。それから二路線を逐次伸ばし、四叙瓦とし、戧挑の端に更に勾頭瓦を据え、その施工工芸と部材は嫩戧発戧と同じである。詳細は図13を見よ。

    269 蘇州古建築の瓦葺きでの戧角営造技法 2_e0309314_19051176.jpg

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    実例写真:工法1;戧座の上に滾筒瓦を据えず、直接二路線を置く

    その二つは、戧座の上に先に滾筒瓦を据え、更に二路線を積み、その他の工法は第1種の工法と同じで、滾筒瓦が無い工法に因り、嫩戧発戧と同じだが、“水戧発戧”と称する。詳細は図14を見よ。

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    実例写真:工法2:戧座の上に先に滾筒瓦を設け、二路線を設ける

    三、瓦作戧角の分類

      隅棟の形式は、木構造が異なり、水戧発戧は嫩戧発戧に区分される事を除き、もし隅棟頭部から分ければ、勾頭戧、如意頭戧、洋葉戧等数種の類型に分けられる。図15を見よ。

    269 蘇州古建築の瓦葺きでの戧角営造技法 2_e0309314_19054367.jpg
    トネ(TONE) ツールセット TSS4331 差込角12.7mm(1/2") レッド 内容53点

    269 蘇州古建築の瓦葺きでの戧角営造技法 2_e0309314_19054838.jpg
    実例写真:勾頭戧

    269 蘇州古建築の瓦葺きでの戧角営造技法 2_e0309314_19055200.jpg
    実例写真:如意頭戧

    269 蘇州古建築の瓦葺きでの戧角営造技法 2_e0309314_19055662.jpg
    実例写真:洋葉戧

    若し、呑口形式の違いから見ると、回紋呑口と蟷螂腹呑口に分けられる。詳細は図16を見よ

    269 蘇州古建築の瓦葺きでの戧角営造技法 2_e0309314_19060066.jpg

    四、瓦作戧角隅棟の技術要点

    1.隅棟の各部材(勾頭瓦、四叙瓦、太監瓦等)の中点は同一垂線上に無ければならず、垂線は隅棟及び隅木の中心線を重ねたものである。工程中、下げ振りで垂直を管理する方法が使える。

    2.同じ建築物の各隅棟の高さ、出、弧度、造型等の各技術パラメータの一致を保持し、工程中、先に作っておいた型板や下げ振り、寸法測定の方法を通して管理する。






        総目次
        ⇒ 目次1 第一部 日本じゃ無名?の巻
        ⇒ 目次2 第二部 中国に有って、日本に無いもの の巻
        ⇒ 目次3 番外編 その他、行ってみれば の巻
        ⇒ 目次4 義縣奉国寺(抜粋)中国の修理工事報告書 の巻
        ⇒ 目次5 日本と中国 あれこれ思うこと の巻
        ⇒ 目次6 5-8世紀漢地佛像着衣法式(翻訳)
        ⇒ 目次7 中国の古建築技法”以材為祖”(翻訳)




    # by songofta | 2018-08-11 19:24 | 古建築 | trackback | comments(0)
    268 蘇州古建築の瓦葺きでの隅棟営造技法 1
    中国の寺院の印象は、隅棟の大きい反り上がりではないだろうか。
    一体全体、あの極端に跳ね上がった軒はどんな構造なのかと感じた人も多いだろう。

    日本には無い工法だが、そう古くからのものではないようだ。宋や元のころは、普通の軒端の反りだったものが明清期に大きく改変されたようである。
    どんな構造でどのような工法なのか、長年の疑問を解説したものがあったので、参考までに転載翻訳してみる。なお、対応する日本の瓦葺き用語が見当たらないので、用語はそのままとした。
    (出典は、360doc個人図書館;「蘇州古建築瓦作戧角営造技法」より転載翻訳。原典は、中国建築工業出版社刊《図解営造法源做法》で、実例写真はネットからとある。)

    (転載;)
     入母屋造(寄棟造を含む)建築や宝形造建築で、その両側の屋根が交差する所は、屋根の雨漏りを防ぐため、段々と上に起ち上がる小棟を築き、戧脊(隅棟)と称する。隅棟は磚と瓦の積上げから成り、古くは瓦作戧角と言い、蘇州古建築では、瓦作戧角を総称して水戧と言い、水戧は実用と装飾の2つの効用を持つ。

    一、瓦作戧角は戧に二種の形式がある

      瓦作戧角の形式は、木構造の隅棟工法に因って異なり、2種の形式に分けられる。
    1.木隅棟に老戧木(大隅木)が有っても嫩戧木を用いない者、或は大隅木の上に子隅梁が覆わない者は、棟の形式を“水戧発戧”と言う。
    2.木隅木には既に大隅木が有り且つ嫩戧木も有る者は、棟の形式を“嫩戧発戧”と言う。その外観は通常、前者は(屋根勾配が)かなり緩やかで、後者はかなり切り立っている。両者の棟形式の立面は、(図1-1~3)を参照;

    268 蘇州古建築の瓦葺きでの隅棟営造技法 1_e0309314_18360063.jpg
     更に2枚の実例写真を挙げるが、見れば明らかであろう。

    268 蘇州古建築の瓦葺きでの隅棟営造技法 1_e0309314_18360586.jpg
    実例写真1:水戧発戧形式の隅棟

    268 蘇州古建築の瓦葺きでの隅棟営造技法 1_e0309314_18361754.jpg
    実例写真2:嫩戧発戧形式の隅棟

     二、瓦作戧角の工程順序
     現在の入母屋造建築の屋根を例に、両種の工程順序と要領を紹介すると以下の通りである:
    (一)、嫩戧発戧
      ネットの友人が嫩戧発戧の隅棟を理解しやすい様に、先ず隅棟部材の名称を具体的に紹介して、順に説明したい。説明の便のため、《営造法源》の中の、二路瓦条と中央の交子縫を総称して“二路線”と呼ぶ。詳細は図2を参照のこと。

    268 蘇州古建築の瓦葺きでの隅棟営造技法 1_e0309314_18372242.jpg
    工程1:鼈(スッポン)殼板、分楞(楞=棱)、劃線の敷設
     隅木の組立てが完成し、屋根の望磚の敷設が終了した後、隅木の中心線に沿って、その両側に対称に鼈殼板を敷く。鼈殼板の効用は、一つに、隅棟部と屋根軒口を連結させることで、両者の間を渡して、水が溜まる現象を起こさせないことである。二つには、屋根面の弧線を流麗にすることである。
     鼈殼板の上は、隅木の中心線に沿って、隅棟の始まる所に向かって灰漿を塗り、上に向けて弧状の尖角形状を形成させ、中心線の両側に、均等に瓦档線を作る。
     入母屋造の水戧に因り、隅棟の始まりと入母屋の堅帯が繫がり、且つ隅棟部の最初の楞瓦は底瓦(滴水瓦を用い、その両側が対称で蝴蝶に似るので、又、蝴蝶瓦とも言われる)となり、隅棟の始まり部が竪帯とつながることから、蓋瓦となり、この原則に基づき、この段の距離を、滴水かわらの幅の半分を差し引いた後、均しく分け、瓦档線を切り分ける基になる。瓦档線を切り分ける所は屋根面の沿口線と垂直にすべきで、その距離は大体、屋根面の楞瓦間の距離と同じにすべきである。瓦档線を基に、瓦口板を作って据える。図3を参照。

    268 蘇州古建築の瓦葺きでの隅棟営造技法 1_e0309314_18372740.jpg

    268 蘇州古建築の瓦葺きでの隅棟営造技法 1_e0309314_18373084.jpg
    実例写真:鼈殻板を葺き、瓦口板を組む

    工程2:瓦档線対老瓦頭を組む

     瓦档線に基づき、棟と隅棟の中心線の両側に沿って“対老瓦頭”を分ける。所謂、対老瓦頭は、棟或は隅棟を積む前に、その両辺に先に一定長さの底瓦の棱と蓋瓦の棱を対に敷設することで、屋根を葺く工程の一つであり、蘇州の工匠はこれを“対老瓦頭”と称している。老瓦頭を敷設する長さは、一般に40~50cmで、棟或は隅棟を積むのに影響しないことが望ましく、且つその上端は、須く棟或は隅棟の中に伸び、その伸びる長さは棟幅の3分の1である。
     ここで葺く老瓦頭は、特に隅棟では、瓦棱線が真直で、蓋瓦が平に押さえ、隣り合う瓦の稜線の勾配は均しく、瓦档の大きさは統一され、水がスムーズに流れ、逆流する事無く、且つ口花辺に沿って滴水と垂直に対しなければならない。
      回頂(黄瓜環脊)工法に基づき、棟の両側の老瓦頭の頂端では、黄瓜環の底瓦と蓋瓦は分けて組む。隅棟両側の老瓦頭溝の中に、木隅木の中心線に沿って、予め数本の鉄線或は旺脊釘を埋め、上部の鉄製の戧挑を固定するのに用いる。
      拐支釘を組む時は、拐支釘は特別な鉄釘で、丁字形を呈し、長さは約10cm、嫩戧尖の所に装着し、老鼠瓦を支える役目をする。老鼠瓦は両側の蝴蝶瓦の上に装着し、拐支釘で支持する。この瓦は5寸の筒瓦で作り、その前端は歯状を呈するので、老鼠瓦と称する。

    268 蘇州古建築の瓦葺きでの隅棟営造技法 1_e0309314_18373372.jpg
     瓦口板に沿って花辺瓦と滴水瓦を分けて装着する。拐支釘両側に滴水瓦を組み、それにより蝴蝶に似た形状に配置されるので蝴蝶瓦と言われる。詳細は図5参照。

    268 蘇州古建築の瓦葺きでの隅棟営造技法 1_e0309314_18373736.jpg

    268 蘇州古建築の瓦葺きでの隅棟営造技法 1_e0309314_18373995.jpg
    実例写真:瓦档線を基に“対老瓦頭”を組む

    工程3:戧座を積む
      隅棟中心線に沿って戧座を積む、戧座の工法は攀脊(大棟の両端が持上った棟)と同じで、先に青磚を積み、高さは上に向かって葺いた隅棟の弧度に従い、両辺の蓋瓦の高さまで積んだ後、上は小青瓦2枚で覆って、紙の苆を混ぜた漆喰漿で戧座表面と両辺の瓦档を塗る。
      戧座端頭に老鼠瓦を装着し、老鼠瓦は両側の蝴蝶瓦の上に設置し、拐支釘で支持する。この瓦は5寸の筒瓦から作り、その前端を歯状を呈し、この名がある。その情報に勾頭瓦を組込む、即ち猫銜瓦という。
      これを“猫銜瓦”は、現在多く同じ様な“御猫瓦”ともいう。しかし実際は妥当ではない。その理由は2つあり;その一つは、《営造法原》の図版四十の中で、この瓦を“猫銜瓦”と呼んでいるからで、その二つは、銜の読みは“xian”だが、呉語方言(蘇州や杭州辺の方言)の読み(hai)は銜が即ち“用口叼住(口で咥える)”の意味で、猫銜瓦が老鼠瓦の上方に有って、正に猫が鼠を口に咥えるが如き形象なので、私は“猫銜瓦”を妥当とするのである。
      戧座の頭部を収める為に、老鼠瓦と猫銜瓦の間の空間に、漆喰で対称な弧形曲面を作る。入母屋造の妻面の蓋瓦の棱上に竪帯脊座を積み、戧座と45°に斜交し、その高さと幅は戧座と均しく作る。脊座の中心線は底瓦の中心線と正対する。詳細は図6を参照。

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    実例写真:老鼠瓦と猫銜瓦を組込む

    工程4:滾筒瓦を積む
      滾筒瓦を積む時は最初に鉄製戧挑を据えるべきで、その長さは隅棟高さに基づく。戧座は青磚で積み、隅棟から弧形を呈して、積む際にはその弧度と垂直度及びその接続部との関係に基づき、磚表面の高さ毎に厳格に管理し、青磚を積んで滾筒瓦の弧度の高さに至った時、両辺に筒瓦を上に覆う。滾筒瓦と竪帯が斜交する時、その上下の高さは一致しなければならない。
      滾筒瓦端は猫銜瓦の上に据え、前に向かって斜めに挑む勢いを呈し、滾筒瓦端の側面は蟷螂の腹の形に積み、正面は瓢箪に似て、太監瓦と称する。図7を見よ。

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    実例写真:青磚が滾筒瓦の弧度の高さに至った時、両辺に筒瓦を上に覆う

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    実例写真:滾筒瓦と竪帯が斜交する時、両者の上下高さは一致しなければならない

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    実例写真:滾筒瓦端の側面は蟷螂の腹の形に積み、正面は瓢箪に似て、太監瓦と称する
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    実例写真:滾筒瓦端の側面は蟷螂の腹の形に積み、正面は瓢箪に似て、太監瓦と称する

    工程5:二路線を積む
      滾筒瓦の上方に2本の瓦条を積む、即ち二路線である。瓦条の間は交子縫とし、瓦条は太監瓦の表面から外に向かって伸ばし、四叙瓦と呼び、四叙瓦はその形が、古代に朝廷に上がる時の朝板に似るので、又朝板瓦との称する。四叙瓦を伸ばす長さは、表面を順に増やし、約1寸とする。二路線上に再度第2の鉄製戧挑を据え、この戧挑は主要に強度を高めるもので、四叙瓦の安定と上部の勾頭筒瓦を据える機能を持つ。戧挑の伸ばす長さは戧挑の具体的情況で決めるべきだが、太監瓦の後ろで伸ばす隅棟内の長さは、伸出する長さより大きくして、戧挑の弧形は木隅木の弧形と一致しなければならない。詳細は図8を参照。

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    工程6:蓋筒瓦を積み、鉤頭を据える
      隅棟の蓋瓦の積層は、蓋筒瓦は筒瓦で積み、蓋筒瓦は隅棟の中心線に沿ってその真中に積まれ、蓋筒瓦の幅は瓦条外縁から各1寸下げる。隅棟頭から上に向かって四叙瓦端部まで,高さは隅棟の弧度に従い、弧形を一致させる。
      戧挑の頂部に勾頭瓦を設置し、設置する勾頭瓦と四叙瓦の距離は、四叙瓦の長さに2寸(6cm)を加え、勾頭瓦を据える時に、その鉤頭は水平を呈する。戧挑の上部に瓦片を置き、麻糸を絡め、漆喰を塗り、高さと幅をふた筒瓦から戧挑頂部に向かって狭めていき、流れるような弧線で両辺は対称に途中が自然に見える様にする。図9を見よ。

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     実例写真:滾筒瓦の上に二路線、蓋筒瓦を積み、鉤頭を据える

    工程7:隅棟に漆喰を塗り、屋根に蓋をする
      隅棟の形を作った後、その表面に漆喰を塗っていき、塗る材料は紙苆を入れたセメントを用い、砂漿(セメント、石灰、粘土を混ぜたもの)でも良いが、砂漿の作業性を良くする為に石灰を多くする。一般的に砂漿の中に適当な黒色顔料を含んだ黒水を混ぜ、隅棟の色が更に長く保持出来る様にする。
     ※注;現代の補修や新造では、時間と手間がかかるのを避け、セメントを多用しているようである。
     塗る順序は、攀脊側面(即ち瓦档)及び上背面、二路線、滾筒瓦、蓋筒瓦の順に、塗りは隅棟の両辺を同時に勧めても良い。先に攀脊側面を平らにし、その後上の三角の直線部はその背面を塗り、弧線は流れる様に出入りは揃う様にする。
     二路線の塗りは、先に瓦条の側面を塗り、それからその上下面を塗り、更に交子縫に砂漿を塗って、その後特製の専用工具~“扯模”で、瓦条と交条縫の造型を拉扯(引いて成型)する。拉扯は必ず隅棟の弧度に従わねばならず、棟の頭部から付け根まで、段を追って成型する。もし高低差や湾曲した所があれば、修正した後もう一度“扯模”で引き直し、引いた線の幅が一致し、角線がはっきりし、弧度がなめらかになって、出入りが要求に届いた所で止める。
      滾筒瓦を塗った後、上下両線の平行を保持し、滾筒瓦弧度の一致を保証する為に、大きさの同じ伝統工具“螺殻匙”を採用して工程を進める。
      同様に、蓋筒瓦表面の塗りも、“螺殻匙”を採用して操作する。塗る時に、蓋筒瓦両辺は同じ幅に、その寸法と瓦条の高さは同じになっている様にしなければならない。塗った後の蓋筒瓦の頂面と瓦条は同じ弧面を保ち、その弧面は円がゆったりと、線は流麗でなければならない。隅棟の塗る伝統工具の詳細は、図10をみよ。

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      その他の部位の部材、例えば老鼠瓦や猫銜瓦、太監瓦、四叙瓦等に対し、伝統洋式に則り、紙苆或は砂漿を用いて搨塑(搨=拓だが、模して成型する意味か)して作る。全部の部材が揃って、自然に感想した後、再度黒水を2度塗る。残った部分の屋根全部を葺いて完成する。詳細は図11を見よ。

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    実例写真:隅棟完成後の施工写真

    (  隅棟営造技法 2 に続く )



        総目次
        ⇒ 目次1 第一部 日本じゃ無名?の巻
        ⇒ 目次2 第二部 中国に有って、日本に無いもの の巻
        ⇒ 目次3 番外編 その他、行ってみれば の巻
        ⇒ 目次4 義縣奉国寺(抜粋)中国の修理工事報告書 の巻
        ⇒ 目次5 日本と中国 あれこれ思うこと の巻
        ⇒ 目次6 5-8世紀漢地佛像着衣法式(翻訳)
        ⇒ 目次7 中国の古建築技法”以材為祖”(翻訳)




    # by songofta | トネ(TONE) ツールセット TSS4331 差込角12.7mm(1/2") レッド 内容53点2018-08-11 19:01 | 古建築 | trackback(5) | comments(0)
    267 中国古建築のほぞと継ぎ手(2)
    前回(1)に続く

    四 水平或は傾斜部材が重なる隠れた所に用いる枘とほぞ穴
      古建築大木作の上架構(即ち、柱頭以上)部材は、全て層を作って重なる。これは、層毎に部材間の結合問題の解決が必要なだけでなく、上下の層の部材間の結合問題の解決が必要で、この様にして始めて多層部材が一つの完全な結合体として使うことが出来る。
     水平(或は傾斜)部材が次々と交差するのは2種の情況があり、一つは2層或は2層以上の部材が畳なり合い、もう一つは2層或は2層以上の部材が垂直(交角が90度となる)或は一定角度で半分疊なる。
      2層或は2層以上の部材が次々と交差する時、次の2種の銷合連結(注、銷は留め釘、ダボの類)の方法が採用される。

    (一)栽銷 
     栽銷は2層部材が疊なる面に眼を鑿き、木の留め釘(ダボ)を下層の眼に植え込む。組立て時、上層部材の眼を、植えた留め釘を枘として対応して入れるほぞ穴とする。留め釘の大きさと眼と眼の距離は、明確な規定がなく、木部材の大きさと長さを視て臨時に斟酌し、上下両層部材結合の安定を保証するものとする。古建築大木作では、留め釘は頭貫と平枋の間、大隅梁と他の隅梁の間、及び次々に同じ個所に落とし込む梁と随梁の間、角背や隔架雀替と梁架が相次ぐ所などに多く用いられ、古くは檁と墊板(※目隠し板)、枋の間に留め釘を使って檁や板、枋が間違って動くのを防止した。現在は已に採用はかなり少ない。その他に、斗と平枋の間、斗栱各層部材の間にも、皆栽銷の方法を用いて安定させる(図3-11)。

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    (二)穿銷
      穿銷は栽銷の方法と類似し、異なるのは、栽銷法の留め釘は部材を貫通しないが、穿銷法は2層ないし多層の部材を貫通する。穿銷法は則ち2層ないし多層の部材を貫通させることである。穿銷は斗栱後尾を各層部材に固定する留め金に常用する。古建築の大門の門口上部の門簪に用いるのも、ある意味比較的典型的な穿銷である。留め釘は、部材を抜けた後、留め釘端部を出し、更に門簪を別に用いるのに必要である(図3-12)。大屋根の大棟に」用いる脊樁は、穿銷と穿銷の二者の特徴を兼ねている。脊筒瓦を安定して保持するために、扶脊木を貫通して、大棟桁に1/3-1/4挿し込む必要がある。見た所では、栽銷の特例の一つと言える。牌楼の高栱柱の下の枘も穿銷の例証の一つであり、それは額枋(※頭貫(龍門枋))を貫通して、添え柱を持ち併せて小額枋内の1/2-1/3に挿し込む。高栱柱は額枋(或は龍門枋)の上にしっかりと立てる。

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    五 水平或は傾斜部材が畳交或は半畳交する枘とほぞ穴
      水平或は傾斜した部材を疊ねて安定させるには、留め釘が必要で、部材は一定の角度(90度或はその他の必要な角度)に疊なる或は半分疊なる時、桁碗刻或は圧掌等の枘とほぞ穴で安定させる必要がある。

    (一)桁碗
      桁碗(小式は檁碗と言う)は古建築大木作で用いる所が多く、凡そ桁碗と柁梁や脊瓜柱が交差する所は、全て桁碗を使用する。桁碗は即ち桁檁の碗口に置いたもので、柁梁頭部或は脊瓜柱頂部に位置する。碗の開口の大きさは、桁檁の直径で定まり、碗口の深さは檁径の半分を超えず、最も浅いものは檁径の1/3より少なくては行けない。桁檁の面幅方向に移動するのを防ぐために、碗口中央に常に“鼻子”を作り、その方法は梁端部の幅を4等分して、鼻子が中央の2分とし、両辺の碗口は各1分を取る(図3-8参照)。梁端が鼻子で出て、檁の対応する部分を削り取り、檁表面と碗口を噛み合わす。脊瓜柱柱頭の檁碗は鼻子を作らないか小さい鼻子とする。妻面に出る銷の檁と排山梁の交差する時は、梁端或は背瓜柱頭は只、小鼻子を作る必要がある。小鼻子の幅と高さは檁径の1/5より大きいと良くない。桁檁が同じ隅梁に交差する時は亦、檁碗を作る必要があり、時には隅梁の碗口のところに鼻子(閘口)を作る(図3-13)。交差する檁桁と斜梁や、角梁の持送り及び角雲などが交差する時は、梁端は鼻子を付けず搭交桁碗とする(図3-14)。

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    (二)趴梁階梯榫
      趴梁や抹角梁と桁檁の半重ね交差及び短趴梁交差の部位に多用し、趴梁と桁檁の半重ね交差の時、一般に階梯榫を作り、階梯榫の工法は、図3-15のようになる。階梯榫は一般に3層から成り、底の1層は檁の半径の1/4で、趴梁榫の袖は檁内に入る部分で、第2層の寸法は第1層と同じであり、第3層は燕尾榫状に作ることが有り、耐引張りの効能がある。真直ぐな榫に作る場合も、榫の長さは檁の中央を超えてはならない。階梯榫の両側は各1/4の覆い隠す部分がある(図3-15)。長短の趴梁が交差する榫の工法は上述とほぼ同じで、覆い隠しがない。抹角梁と檁桁の交差は、交角が45度になり、枘を作る時、抹角梁端は直榫に作り、檁上に45度方向の斜めほぞ穴を作る。枘とほぞ穴の具体的な工法は趴梁階梯と同じである。

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    (三)圧掌榫
      その形状は、人字状の屋根架構の上弦端点の双槽工法と似ていて、この種の枘は隅梁と由戧(隅棟)の間の交差節点に多用される(図3-13)。圧掌榫は接触面が十分あり、確実で、隙間がないことが要求される。隅梁と由戧を除いて、垂木の節点の所にも圧掌工法は用いられる。だが、垂木は檁上に釘を採用するので枘とほぞ穴には数えない(図3-14)。

    六、板の矧ぎ合わせの数種の枘とほぞ穴
      古建築大木作と部分的に装修する部材を製作する時、常にかなり幅寛い木板が必要で、例えば、博縫板や山花板、掛落板及び榻板、実榻大門等を製作する時である。木板を堅固に並接するために、膠で接着するのを除き、枘とほぞ穴を採用する。

    (一)銀錠扣
      銀錠扣、又の名を銀錠榫と言い、両端が大きく、中腰が細い枘で、その形状が銀錠に似るのでこの名がある。それを板の継ぎ目に嵌め込み、膠が長い年月で効力を失って板がバラバラに切れ目が開いてしまうのを防止する。銀錠扣を嵌め込むのは、一種の閂工法で、榻板や博縫板などに用いる(図3-16)。

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    (二)穿帯
      穿帯は貼り合わせた板の裏面に燕尾槽を刻み出し、槽の一端は稍々寛く、もう一端をやや狭くする。槽の深さは板厚の約1/3にし、先に燕尾帯(一端は稍々寛く、一端はやや狭く)を作り、槽内に打ち込む。それは、全ての板を固く結びつけ割ける、のを防ぎ、併せて板面の凹凸変形を防止する効用がある(図3-16)。
    一枚の板当たり穿帯を3筋或は3筋以上付け、穿帯の頭を対向させて、一方向になってはならず、以って板の継ぎ目を固く詰める。

    (三)抄手帯
    これは穿帯の別の形式だが、穿帯とは異なる。抄手帯を穿つのは、必ず木板のこば面の中央に透眼(貫通する穴)がある。工程は貼り合わす木板を準備し、貼り合わせて(平継ぎ、小口継ぎ或は企口継ぎを採用しても良い)、抄手帯を穿つ所に弱く墨線を出し、板のこば面に貫通する眼を掘り、再び板を貼り合わせる(眼を基準にする)。膠の接合が乾いたら、先に準備した抄手帯を打ち込む。抄手帯本体は強度がかなり高い木でなくてはならず、楔形に作る。この種の工法は、多く実榻大門に用いる(図3-16)。

    (四)裁口
      これは木板のこば面を半分を残したり取ったりして、取去る幅と厚さは近似し、木板の両辺を交互に取り、接合する。この種の工法は山花板に常用する(図3-16)。

    (五)龍風榫
      亦の名を企口と言い、木板のこば面の中央に槽を掘り、もう1枚のこれと結合する板の面中央に凸枘を作り、両板を互いに噛み合わす(図3-16)。

     清式の木構造建築の枘とほぞ穴の種類はたいそう多く、上述以外にもいくつか上げることが出来る。
     枘とほぞ穴の応用は、建築物に採用する木架構にとって決定的である。我々は、今日見る枘とほぞ穴は、中国建築工匠が数千年の創造実践の成果であり、彼らの苦心と智恵の結晶である。だが、木材自体の特徴から、枘とほぞ穴の処理については、避けられない弱点が存在する。例えば、結合を受ける剪断面が小さく偏ったり、燕尾榫がかなり短かったり、いくつかの節点が只半榫で引張り締結をする等などは、全て木架構の結合能力に一定の影響を与える。これらの不足する所に対処するために、清代建築物には大量の鉄材を使用して強化し、例えば合わせ柱や梁、枋の外側に鉄の箍を纏わせ、柱頭両側の枋と枋の間や、排山梁架と柱の交差する節点及び檁の接続端を渡して引張る所、隅梁と桁檁の交差に角梁釘を打つ、板の継ぎ目に鉄の鎹を打つ等に、これらの措置をする。鉄部材の使用は、木製の枘とほぞ穴の弱点を克服し、架構の結合能力を増強し、助けるものである。


    ※原文はこの後、枘の強度についての考察が続くが、省略する。
    見た所、これらの枘は、明清以前、唐宋期もほぼ変わらないものと思われる。
    最後に、《営造法式》巻30中にもある、合せ柱の図を紹介する。 外から見えるのが明榫で、内に隠れて見えないのが暗榫。北宋期の合い柱で有名なのが寧波市保国寺大殿で、4本を合わせて外側を8個の瓜状にする八觚柱が内転びに並ぶ。

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        総目次
        ⇒ 目次1 第一部 日本じゃ無名?の巻
        ⇒ 目次2 第二部 中国に有って、日本に無いもの の巻
        ⇒ 目次3 番外編 その他、行ってみれば の巻
        ⇒ 目次4 義縣奉国寺(抜粋)中国の修理工事報告書 の巻
        ⇒ 目次5 日本と中国 あれこれ思うこと の巻
        ⇒ 目次6 5-8世紀漢地佛像着衣法式(翻訳)
        ⇒ 目次7 中国の古建築技法”以材為祖”(翻訳)


    # by songofta | 2018-07-22 13:20 | 古建築 | trackback(4) | comments(0)
    266 中国古建築のほぞと継ぎ手(1)
     最近、youtubeに継ぎ手やほぞ加工の様子がアップされ、大変興味深い。中には建築では強度的にどうかと思うものも混じっている。家具などに使うのだろうか。
     枘(ほぞ)は木工の歴史とともに古く、日本でも3~4000年前と言われる能登の真脇遺跡や富山の桜町遺跡で縄紋時代のほぞ加工が出土しているし、中国では7000年前の寧波市の河姆渡遺跡(※注1)から、石器で加工したとは思えないものが出土している。古代の交通は、意外と現代人が考えているほど、閉塞したものでは無いように思われる。これらの技術は、稲作の伝播とともに、通説よりかなり古い時代に日本に到達していたと考えるべきではなかろうか。

    遺物野中の枘の例
     寧波市の河姆渡遺跡の博物館や復元展示には、柱と梁や根太の接合に用いた継ぎ手や、井戸枠の井桁がある。河姆渡遺跡は7~5000年前の遺跡と言われ、大量の炭化米と水田跡で有名になったが、枘とほぞ穴の加工品出土物は、石器時代とは思えない技術の高さがある。青銅器以前の木工技術と計測技術から見て、鋼製の道具の下での発展は、言うまでもない。河姆渡遺跡から出土した枘とほぞ穴 また、鋼製の道具により、石材利用にも木材の継ぎ手が応用され、板を繋ぐ時の銀錠扣(蝶形の継ぎ手)は隋代の現役世界最古のアーチ石橋趙州橋や唐宋期安徽省歙县魚梁石堤にも見られる。
    (※注1) 31.河姆渡遺跡 最古の水稲栽培遺跡参照。

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    河姆渡遺跡の枘とほぞ穴
    14.隋代趙州橋 の銀錠扣

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    唐宋期の銀錠(安徽省歙县魚梁石堤)

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    「木工房網古建築型」の紹介
     日本古建築での枘とほぞ穴についての解説文献は見当たらず、先に中国の枘とほぞ穴について、「 木工房網古建模型 」を掻い摘んで訳出して紹介する。主として、清式での説明のようだ。
     以下では、組み手、仕口、矧手、継ぎ手、ほぞ加工など、正式には別々に呼ぶべきなのだろうが、中国語の“縫”、“榫卯”を対応する「継ぎ手」、「枘とほぞ穴」に集約して記述する。(縫は、組み手、仕口、継ぎ手、矧手を含んだ接合すべき端部のことで、木工に限らず瓦等でも言う)。
    (転載);
     大型の宮殿式木構造建築は、千や万を超える部材から成り、小式の構造の簡単な古建築でも、数百の木部材が必要で、このような多くの木部材は、垂木や望板(野地板)を除き、その他の部材と全て枘とほぞ穴で一つに結合され、木構造の形式と枘結合の方法は、中国古代建築の主要な構造上の特徴(注2)である。

    ※(注2):日本の古建築では柱の横安定のため、地覆長押、腰長押、内法長押を釘止めするが、中国では貫を多用し、長押のような構造は取らないようである。唐代頃までは頭貫は上下2本あり、その名残りが宋代の七朱八白で、頭貫に象徴的に描かれる。北方は壁に塼を積み上げ、南方は柱に早くから貫を多様したようで、長押のような柱を抱いて緊縛する手法は中国には見当たらず、江南に昔はあったのか百済からのものか日本独自なのか疑問が残る。

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    寧波市保国寺大殿梁の七朱八白(奥の頭貫の白点紋様)

      枘とほぞ穴の機能は、たくさんの独立したバラバラの部材を緊密に結合して、設計要求と使用要求に符号させるもので、各種の載荷重を承ける結合体である。枘とほぞ穴は、我が国の建築と家具などに広範に運用され、且つ悠久の歴史を持つ。出土文物の考証から、春秋戦国時代には、我々の祖先は木構造の枘ほぞ穴の応用では、已に非常に成熟したレベルに達しており、唐宋時期には、枘とほぞ穴の建築中での応用に成熟さと追求が加わり、宋代李誡の《営造法式》中には、枘とほぞ穴技術に一定の記載があり、この時期には、木構造の枘とほぞ穴技術の発展はピークに達した(図3-1 宋式榫卯挙例)。

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     明清建築の枘とほぞ穴は、唐宋時期に較べて、構造上大幅に簡易化され、その固有の機能だけが保たれるだけになった。現存の実物の考察から、明清時期の建築は数百年経ったが、各種の外力と自身の載荷重による破壊は甚だ少なく、百年後の機能は元のままで、木構造の枘とほぞ穴の信頼性が十分あることは明らかである。木構造の枘とほぞ穴の種類は大変多く、形態はそれぞれ異なり、これらの種類と形状の形成は、枘とほぞ穴の機能と直接関係がなく、木構造での位置にもよらず、部材の間の組合せ角度や結合法式、及び木構造の装着順序や方法などに直接関係を持つ。

    第一節木枘とほぞ穴の種類とその構造
      枘とほぞ穴の機能に基づき、それを6類に分け、各類の概略を分類する。
    一、垂直部材を固定する枘とほぞ穴
    古建築の大木の垂直部材は主要に柱である。柱は、落地柱(地面に着く柱)と懸空柱(空間に懸かる柱)の2類がある。落地柱は即ち、柱脚が直接柱頂石の上にある柱のことで、檐柱、金柱、中柱、山柱等はこの類に属する。懸空柱は、柱脚を梁架に降ろすか別の部材に空中で担がれたりぶら下がったりしている柱である。童柱や瓜柱、雷公柱(注3)などである。
     ※(注3):童柱や瓜柱は梁桁を繋ぐ短柱の類で、雷公柱は避雷装置から来ており、亭等の宝形造りなどに立てる短柱。

    (一)管脚榫
      その名が示すように、管脚榫は柱脚を固定する枘で、各種の地面に立てる柱脚の根部に用い、童柱と梁架或は大石塊柱礎と交差する所にも管脚榫を用いる。その効能は柱脚のズレを防ぐことである。清代の《工程做法則例》中に、“柱径1尺毎に、上下に榫各長さ3寸を加える”と規定され、管脚榫の長さを柱径の3/10と定めている。実際の施工では、常に柱径の大きさに適当な脚枘の長さ寸法に調整し、一般には柱径の3/10~2/10の間に管理した。管脚榫の載る面は,或は四角或は円形で、枘の端部は適宜細められ(即ち頭部をやや小さくし)、枘の外端は逆向きに出っ張り、組み立てを楽にする(図3-2)。かなり大規模な建築は、柱径が太く、且つ塀や欄干で囲まれて保護され、安定性が良く、製作や組み立てに便利なように、常々管脚榫を作らず、柱根部を平面に仕上げ、柱頂も又海眼を彫らない(図3-2(1))。

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    (二)套頂榫
      套頂榫は、管脚榫の特殊な形式の一つで、それは一箇所の長さが、径に対する寸法が管脚榫を遥かに超えて、柱頂石を貫通して直接磉墩(礎石下の基礎)に落とす長い枘で、その長さは一般に柱の露出する部分の1/3~1/5で、枘径は柱径の1/2~4/5と一律ではなく、状況によって決められる(図3-2)。套頂榫は多く、長廊の柱(一般に2-3本離れての1本を套頂榫にする)に用いられ、地勢が高く風のきついかなり大きな建築物にも常用される。その効能は建築物の安定性を固めることにある。だが、套頂榫は地下深くに埋めるので腐食しやすい。

    (三)瓜柱柱脚半榫
      梁架と垂直に交わる瓜柱(金柱、脊瓜柱、交金瓜柱等を含む)は、柱脚に又管脚榫を用いる。だがこの種の管脚榫は常に一般の半榫工法を採用する。安定性を強めるため、瓜柱は又常に角背と結合して使用する。この時、瓜柱の根部の枘は必ず双榫に作り、角背と一緒に組み立てる(図3-3)。瓜柱柱脚の半榫の長さは、瓜柱本体の大きさに合わせて調整するが、一般に6-8cmで管理する。

    二、水平部材と垂直部材が交差して結合する時の枘とほぞ穴
      古建築の大木建築中、水平部材と垂直部材が交差する結合点は多く、最も良く見るのは柱と梁、柱と桁、妻柱と排山梁架、抱頭梁、枋及び単材の貫入、双歩梁と金柱や中柱の交差部等である。部材の交差する部位と方式は異なるので、枘とほぞ穴の形状もまた大きな違いがある。

    (一)饅頭榫
      饅頭榫は柱頭と梁端が垂直に交わる所に使用する枘で、これと対応するのは梁端底面の海眼である。饅頭榫は各種の直接梁と交差する柱頭頂部に用い、その頂端と径寸は管脚榫と同じである。その機能は、柱と梁の垂直結合に用い、水平ズレを防ぐ(図3-2,(2)、(3))。梁底の海眼は饅頭榫の長短径寸の基づいて削り、海眼の四周は8個の棱を削り出し、組み立ての便を図っている(図3-4)。

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    (二)燕尾榫
      この種の枘は多くが引張り力の懸かる接続部材に用い、例えば檐枋(軒桁)や頭貫、随梁枋、金枋、脊枋等の水平部材と柱頭が交差する部位である。燕尾榫は又、大頭榫、銀定榫とも言う。その形状は端部は広く根部が狭い。これと対応するほぞ穴は中が大きく外面は小さい。組み上げた後、部材は抜けることがなく、良い構造の枘とほぞ穴の一つである。大木構造の部材中、凡そ引張利の懸かる継ぎ手は、併せて、上に上げたり下に下げたりする方法で組立てる事のできる部位であり、皆、燕尾榫を使用すべきであって、以って大木架構の安定性を増強するのである。
      燕尾榫の長さは、《工程做法則例》の規定では柱径の1/4で、実際の施工でも、大きいもの柱径1/4だが、最長でも柱径の3/10を超えない。且つ、枘の長さ(即ちほぞ穴の深さ)と同一柱頭のほぞ穴の数は直接関係し、もしその柱頭にわずかに二口のほぞ穴しかなければ、開口はやや深く、以って枘の結合能力を増強し;もし三口のほぞ穴ならば、開口はやや浅く、開鑿した部分が柱頭の全体強度を壊さないようにする。
      燕尾榫の根部は狭く、端部は寛く、大頭状を呈し、この種の作り方を“乍“という。乍の大きさは、枘長さ10cm、面ごとの乍は1cm(両面合わせて2cm)で、大き過ぎては良くない。燕尾榫のじょうめんは大きく、下面は小さい。これを“溜”という。乍は枘とほぞ穴に引張り結合をさせるが、溜は下に落とし込んで組立てる時、落とし込めば落とし込む程緊縛し、結節点の安定性を強める。“溜”の収めは大き過ぎてはならず、燕尾榫の上面幅が10cmならば、下面幅は1cm狭めればよい。製作時必ず枘とほぞ穴のきつさ加減をはかり、組立ての便を図って、結合を固くする(図3-4、図3-5)。
      頭貫や檐枋(軒桁)に用いる燕尾榫は、袖肩の有るものと袖肩の無いものの2種の工法がある。袖肩を作るのは、燕尾榫の根部の断面が小さくなって抗剪断力が落ちないようにする措置の一つである。袖肩は枘根部の剪断面を増やすのに適し、枘とほぞ穴の結合能力を増やす。袖肩長さは柱径の1/8、幅は枘大頭と同じとする。(図3-5(1))。

    (三)箍頭榫
      箍頭榫は、枋と柱が最端部或は角隅部で結合する時に採用される特殊な枘構造で、“箍頭”の字からも判るように、“箍住柱頭(柱頭に箍(たが)がある)”の意味である。その工法は、枋を柱の中央の位置で外に向けて柱径分出し、枋と柱が交差する部位に枘と套腕を作る。柱表面以外の部分は箍頭を作り、箍頭は常に覇王拳或は三岱頭の形状とする。一般に斗栱を持つ宮殿式の大木作は覇王拳工法を採用し(図3-6)、斗栱の無い園林建築或は重要でないレベルの付属建築は常に三岱頭形式とする(図3-7)。箍頭の高さ(成)と厚さ(幅)は、均しく枋本体寸法の8/10である。箍頭枋の応用は、1面と両面の2種があり、1面の箍頭枋を使用する時は、只柱頭の上の桁行方向に沿って単面のほぞ穴を必要とする(図3-7)。桁行と奥行き方向とも箍頭枋を使用する時は、柱頭に十字に交差するほぞ穴があり、交差する時に山面(妻側)が上にし、檐面(桁行面)を下にする、これを山面圧檐面という(図3-6)。
      箍頭枋の使用は、端の柱或は隅柱に対し、又柱頭を箍嵌めして保護する機能がある。加えて、箍頭本体が更に良い装飾部材となる。そのため、箍頭枋は大木作の枘とほぞ穴の中で、これらの観点から、言うまでもなく枘結合技術の非常に成功した優秀な一例と言える。

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    (四)透榫
      透榫は大木作部材に用い、常に大きく入って小さく出る形状となり(図3-8)、又大進小出榫と称する。所謂代位進小出は、枘の貫入部分を指し、高い成の梁か本体の成が高い枋の場合である。そして貫入部分は接続する部分が半分を減ずる。このように作って、美観があり枘の柱を損なう面を減少できる。透榫の貫入部分の正味長さは、清代の《工程做法則例》の規定では、柱の表面から外に向かって半柱出るか、部材自身の高さの1/2とする。枘の幅は一般に柱径の1/4に等しいか稍小さく、或は枋(或は梁)の幅の1/3に等しくする。透榫の貫入部分は、一般に方頭に作り、時には三岱頭或は麻葉頭状にし(図3-5参照)、これは建築物の性質や用途に因って決める。一般の宮殿式建築は多く方頭を用いて、荘厳を示し;遊廊の垂花門及び園林建築は多くが彫飾を加え、華奢さを示す。
      透榫の適用は引張り力を必要とするものだが、上起下落の方法を用いるしか組立てが進まない部位、例えば貫入部が抱頭梁と金柱の交差部等のところにも用いる。

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    (五)半榫
      半榫を使う所は透榫と大体同じである。但し、特殊な必要を除き、半榫の使用は、透榫を使うしかない状況の下で、やむを得ずこれを用いる。最も典型的なものは、排山梁架後端と妻柱の交差する所である。古建築の大木作で、妻柱や中柱は常にこの様な部材を使用する。この両種の柱は、均しく建築物奥行き方向の中線にあり、梁を前後の2段に分ける。両方の梁が柱で交わるので、この時、半榫が必要になる。一般の半榫工法と透榫の貫入部分は同じで、枘長さは柱中央に至る。両端を同時に挿入した半榫は、等掌と圧掌に分けられ、枘とほぞ穴の接触面を増やす。方法は柱径を均しく3分し、枘の高さを2分し、一端側の枘の上半部は長さが柱径の1/3を占め、下半部は2/3を占め、別の一端は上半部が2/3で、下半部が1/3を占める(図3-9)。

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      この他にも、両半榫が頭部を揃える工法があるが、かなり少ない。半榫の結合機能はかなり低く、枘が簡単に抜けて結合が弛む現象が見られる。この問題の解決に、古人は下面に替木或は雀替を置く方法を採った。梁と柱の搭載面の増大は、併せて替木や雀替の上面と梁の当たる面に差込みか鉄釘を付けて、梁が前後に抜けるのを防いだ。
      半榫は上述の梁と柱の交点を除いて、由戧と雷公柱、瓜柱と梁背の交差する所にも常用される。

    三 水平部材が互いに交差する部位に常用する枘とほぞ穴
      水平部材の交差は、古建築大木作でよくあり、扶脊木と扶脊木、平板枋と平板枋の間の順接での延長や十字交差等である。
    (一)大頭榫
      即ち燕尾榫。工法は枋の燕尾榫と基本同じで、枘頭に“乍”を作り、且つ大体“溜”を作って、組立ての便を図る。大頭榫は上起下落方法で組立て、正味部位の檐、金、脊檁及び扶脊木等を順方向に延長する継ぎ手で、引張り機能が有る所に常用する(図3-3、図3-4)。

    (二)十字刻半榫
      十字刻半榫は、主要に方形部材が十字に結合するところに用い、最も多いのは平板枋の十字結合である。方法は、枋本体の幅を以って、交差する所では、各枋の上側は、下面に下面の半分まで十字に嵌め合わす蓋口を削り取る。製作時には亦、山面が檐面を圧える形に、削った外側は枋幅の1/10を包掩(包んで隠す)とするよう注意すべきである(図3-10)。

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    (三)十字卡腰榫
      俗に馬蜂腰(※スズメバチの腰)と言い、主要に円形か、線条を持つ部材(注、几帳面の類)の十字交差に用いる。古建築の大木作部材の卡腰は、主要に桁檁の架け渡しである。方法は、桁檁を幅広さの4等分面に沿い、低い面2等分に沿って、必要な角度に両辺の各1分を削り取り、山面が檐面を圧える原則に従って、上面と下面の半分を削り取って、交差させる(図3-10)。
      卡腰と半分の削りを製作する時は、両方の部材の交差角度は建築の要求によって定まり、もし90度に曲がる矩形或は方形の建築ならば、90度見交差させ;もし6角或は八角等の建築に用いる枘ならば、必要な角度の斜め十字にする。多角形建築で、檁や枋に山面と檐面が存在しない場合、同一部材でのほぞ穴の方向は一致させるべきで、つまり1本の部材両端は皆同じ受け口の枘を作り、隣の1本の両端は皆同じ蓋口の枘を作る、例えば、六角亭の6本の檁或は枋は3本が受け口の枘で、3本が蓋口の枘とし、継ぎ手の組立てを楽にし、同一部材上に受け口と蓋口を作らない。

    (次回に続く)


        総目次
        ⇒ 目次1 第一部 日本じゃ無名?の巻
        ⇒ 目次2 第二部 中国に有って、日本に無いもの の巻
        ⇒ 目次3 番外編 その他、行ってみれば の巻
        ⇒ 目次4 義縣奉国寺(抜粋)中国の修理工事報告書 の巻
        ⇒ 目次5 日本と中国 あれこれ思うこと の巻
        ⇒ 目次6 5-8世紀漢地佛像着衣法式(翻訳)
        ⇒ 目次7 中国の古建築技法”以材為祖”(翻訳)


    # by songofta | 2018-07-22 13:03 | 古建築 | trackback | comments(0)